自動化しよう。寝よう
Angelic Crestというネットゲームをやっていた。
あれは多分、ごく一般的なMMOというやつだと思う。
私はあまりお使いゲーが得意ではなくて、ネットゲーム全盛期に幾つか誘われては片っ端から飽きた実績を持っているので、正直メインストリームはわからない。
Angelic Crestは違ったのか?と言われると、あれもお使いゲーだった、ような気がする。
もちろんストーリーもあった。可愛い女の子のNPC達と交流も出来た。詳細は覚えていないが、可愛かった事は覚えている。
だから続けられたのか?と言われると、それも否だ。名前も覚えていない女のために続けられるわけがない。
私がこのゲームを続けられたのは、ひとえに「リモコン」と呼ばれる公式botがデフォルトで実装されていたからだ。
その「リモコン」は、ソシャゲ三大悪と私が勝手に呼んでいる「脳死周回」を完全自動化するツールだった。
「このエリアを自動徘徊してオート戦闘」「HPがこれだけ減ったら回復アイテムを使う」「回復アイテムが切れたら安全地帯にワープして待機」
これをリモコンで設定しておき、あとは放っておくだけで、所謂「自動狩り」が出来たのだ。公式のお墨付きで。
最高だった。外出中にリモコン起動させて放っておけば、レベルが上がってアイテムが増えてストーリーに専念できる。
なんでこれが主流になってないんだ?と疑問でならない程に、最高のシステムだった。
今はサービスが終わってしまっているのが残念なところだ。
ツーラーは滅ぼせと叫ばれる昨今だが、人は何故苦痛を求めるのだろう。
定形業務は機械に行わせよう!働き方改革!効率化!と、各方面からこれでもかと声が上がっている中、何故ソーシャルゲーム界隈は時代に逆行するのか。
くっそくだらない単純作業の繰り返し。手の込んだクッキークリッカー。
クッキーを焼く時間を捻出するために削られるのは、シナリオを読む時間や世界観やキャラを愛でる時間。
いや、虚無でしょ。
単純作業を重ねさせ、可処分時間を奪って囲って、なんて、いつまでやる気なんだろうか
。
人はやがて、機械に単純作業の全てを請け負わせる事になるだろう。それは遠い未来ではない、と思う。
機械がこなせる程度の超単純作業を、ただひたすらに苦しみながらやり続ける意義を、人は持ち続けられるのだろうか。
ツールを使うことが当たり前の社会で、脳死周回が駆逐されることを、願ってやまない。
古戦場から逃げて寝てぇもん。